高慢と偏見と国民軍 pride and prejudice and conscription

それまでの軍隊というと王様にお金で雇われた傭兵で構成されていたのに対し、フランス革命政府は、自分たちの命や思想は自ら守るんだと国民を鼓舞して、王ではなく共和国政府のために戦う国民軍を結成しました。ここに生まれたのが、いわゆるナショナリズムです。そうして軍隊という存在が男のロマンになり、自国を守るために戦える男こそが、勇気のある素晴らしい人間なのだというイデオロギーを持つ近代国民国家ができたわけです。

マスキュリニティからの解放──ナポレオンからバブル崩壊、ブラック・ライブズ・マターまで。

ナポレオンとほぼ同時代だけど、国民軍はいないイングランドでは軍隊という存在は男のロマンだったのだろうか?
オースティンの高慢と偏見をチェックしてみよう。


ぼく にとって 職 と 社交界 は なく ては なら ぬ もの です。 軍隊 生活 は 望む ところ では あり ませ ん が、 現在 の 情況 を 思え ば、 それ が 適当 な 選択 だろ う という こと に なっ た ん です。 聖職 こそ が ぼく の 天職 の はず でし た

オースティン. 高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫) 

ウィッカムさんは軍隊が好きではないようだ。
このような意思を表明できる環境だったのだろう。
興味ぶかい。