女王ヴィクトリア 愛に生きる S1 E2 "Ladies in Waiting" 「失えない味方」の感想

UKでの放送日: 29 August 2016
日本での放送日時: 2017年8月6日(日) 23:00-23:50

ネズミ

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中の人はネズミも怖くないようだ。


寝室女官事件

ヴィクトリアが心を改めてサー・ロバート・ピールへの組閣の命を下すのか、と思ったら、そのままメルバーン子爵が首相を続ける展開となったので驚いた。

寝室女官事件(Bedchamber crisis)を含めた当時の政治全体への理解が不充分だった。

単なる女官の人事問題と認識していた。

何が問題なのか。

議会の議決にかかわらず君主が好きな人物を首相に任命した場合、そしてその首相がとんでもない人物であった場合、恐ろしい災害を招く可能性がある。

代表的な例がムッソリーニだ。

イタリアの国王がムッソリーニのクーデターを承認した結果、イタリアの人々は第二次世界大戦という、とてつもない災害を経験することになった。

ムッソリーニによって列車の時刻が正確になった?戦争の代償としてはちっぽけすぎる・・・。

カンバーランド公

エピソード1でもなぜ王位が待っているハノーファーへカンバーランド公は行かないのか、と思ったらエピソード2でもロンドンに居着いていて笑った。

官僚機構の整備により王族が居なくても統治は可能な時代なのだ。

タイトル

タイトルのLadies in Waitingは
1)侍女、つまり女官たちを意味しているのと同時に、
2)メルバーン子爵が助けに来てくれるのを待っているヴィクトリア、そして
3)政治的な情勢によらずに彼女と居てくれるパートナーを待っているヴィクトリア
を表している。

意味深いタイトルだ。

次回は3)のパートナーとなるアルバートが登場する。

どのような出会いなのだろうか。ワクワクする。

今週の小道具 コイン

エピソード2でヴィクトリアが顎について苦情を述べていたコイン。




上からソブリン(ポンド)、5ポンド、シリング。
1ポンド=20シリング
1シリング=12ペンス
1ペンス=4ファージング
それほど二重顎ではないような。

今週の小道具 ガス灯


レーツェン女史おすすめのガス灯。

バッキンガム宮殿にネズミの拡散を招いてしまい(もっともヴィクトリアを脅かしたのはAdrian Schiller演じるペンジの悪巧みだが)、設置は中止となった。

ガス灯は1792年スコットランド人ウィリアム・マードックが発明した。

場所はマンチェスター(コーンウェルという説もある)。

マンチェスターが産業革命の中心地であったことがよくわかる。

ヴィクトリアの即位が1837年だから、発明から45年。普及が進んでいた頃だろう。

ロウソクはエピソード1でも紹介されたとおり、管理が大変だ。そして暗い。

一方で室内灯としてのガス灯は怖い面もある。エピソード2ではジェンキンス女史が火傷を負っている。火災も怖い。

石炭ガスの製造方法

石炭を300度で蒸し焼きにするとガスが生まれる。

このガスを水に通すことによって、アンモニアなどを除去する。

さらに触媒を通して硫黄分を除去する。

1830年代にこのような技術が可能だったとは。産業革命は驚異だ!


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